はじめに

こんにちは、Lap Centerの運営・管理をしている的場です。 計セン用のソフトウェア「Mulka(マルカ)2」の開発もしています。 Lap Centerは15年前、大学生の時に軽い気持ちで作ったものですが、 それから随分と時が経ち当たり前のように使ってもらえるようになりました。 この場を借りてお礼申し上げます。

9歳くらいの時に、父親が会社の付き合いか何かでパソコンを買ってきて自分の前に置いたのが始まりで、 それからプログラミングを覚えて今に至るのですが、 自分が作ったものを多くの人が使い、時には驚いてもらえるのは楽しいことだと思っています。

さて、うまくいった話よりもどちらかというと地味な話の方が多いのですが、 今年どんなことをしたのか、また来年Lap Center等に関してどんなことをするつもりなのかを いくつか記してみたいと思います。


2016年を振り返って

個人的には、夏に北海道を旅行していて「丸加高原」を発見したのがうれしかったことですが (フィンランドの古いお札も大事に持っていたりします・・・) 2016年をちゃんと振り返ってみると、社会人の片手間作業としてはオリエンテーリング関係で結構なボリュームの作業ができ、 まずまずな1年だったと思います。

滝川市にある丸加高原の展望台。旅行中にたまたま見つけました。

Lap Centerのリニューアル

今年の2月からリニューアル作業を進めています。いきなりデザインが変わって驚かれた方もいらっしゃったと思いますが、なじみましたでしょうか。 PCで見た場合とスマホで見た場合とで雰囲気が違いますが、おとなしめにはしたものの前の雰囲気も残したつもりです。

なぜリニューアルすることにしたのか?
スマホ向けに使いやすくすることが目的で始めました。 ある話がきっかけでLap Centerのアクセス状況を調べてみたところ、 スマホからのアクセスが7割で、思う以上にスマホからのアクセスが多いということがわかりました。 落ち着いて考えれば当然の結果なのですが、ラップ解析は大きな表なので、 少なくとも平日はパソコンのような大きな画面で見る人のほうが多いに違いないと勝手な想像をしていました。 それでそんな結果が出たものですがら、あわてて対応を始めた次第です。

今年はトップページと記録の一覧、ラップ解析一覧やグラフのスマホ対応を行いました。 また、リニューアルをするからには何かもう少し便利になった方がよいので、クラス・コースを横断してレッグ毎の順位をみられるようにしたり、ラップ解析できるようにしてみました。 今後はMulka2側の改良も行いながら、リレーやスコアOの成績のスマホ対応を進めていく予定です。 こんな見え方が出来たら面白い、あるいはここが使いづらいといったご意見がありましたら、お寄せいただけるとうれしいです。

2016/12/6までの1ヶ月間のデータ(セッション数、Googleアナリティクスより)。AndroidスマホよりもiPhoneのほうが多いようです。

スマホで計セン

計算センターは大会当日のデータの管理の中心的存在であり、 従来は会場の一角、あるいはフィニッシュのそばでパソコンを並べて行うことが多くありました。 ただ、オリエンテーリングは屋外競技であり、スタート・フィニッシュ・会場がそれぞれ別々の場所になることが多く、 データを一カ所で集中管理するよりも、インターネットを使って全体で共有できたほうが効率が良い競技だと言えます。

成績処理用のソフトウェア「Mulka2」は、Windowsのパソコンで動くものでしたが、 スマホの普及、クラウドサービスの普及の流れに乗って、昨年から少しずつスマホでも使えるように改良を進めてきました。 特徴はパソコンとスマホが連動することで、計センでは従来通りパソコンを使って入力や印刷などの作業を行い、 計セン以外の場所でもスマホやタブレットを使って計センと同じ情報をリアルタイムに見られるようになっています。

それでどんな良いことがあるかというと、
スタートで出走・未出走の情報をスマホを使って入力すれば、未帰還者の確定がスムーズにいく、 あるいは撤収をする人が未帰還者の人数を自分で確認できるといったことを考えていたのですが、 山の中にいても誰が速かったのか(遅かったのか)知ることができる、というのも結構なメリットのようです。

今年に入ってからは、スマホにリーディングユニット等を直接つないでEカード・SIカードを読み取れるようにし、 また、当日計センでパソコンが起動していなくても、スマホだけで入力や変更等の操作を出来るようにしました。 合宿や練習会で、フィニッシュでEカードを読み取ってすぐに2本目にというのに便利ではないかと思っています。 また、大会の前日に朝から晩までデータを皆が見られるようにするのも、割とおすすめです。(計センが楽になるのです・・・)

11月の全日本リレーと全日本スプリントでは、 パンチングフィニッシュのユニットにスマホをつないでおけば、選手がパンチするのと同時にペナチェックも勝手に済んで、 計センは楽勝なんじゃないか!!と思って試してみました(※まだ公開していない専用のソフトが要ります)。 結局はラップのレシートを配らなきゃいけないのでそこまで楽ちんではないのですが、 ペナった人が計センに来る前にわかるので、心(?)の余裕が生まれる効果がありました。(みなさん、ペナらないでくださいね~)

雪の中で1人計センにも便利。

Skypeで中間ラジコンの映像中継

全日本リレーといえば、Skypeのビデオ通話機能を使って中間ラジコンの様子を会場のスクリーンに映し出してみました。

映像の中継は2004年にも試したことがあって、その時は人の関心を集めるのは難しいということを学んだのですが、 リレーの中間ラジコンの映像が通過タイムと一緒にスクリーンに出るのであれば面白いのではないか、ということで今回再チャレンジしてみました。 格安スマホとSIMカードは、オンラインコントロールの貸し出し用に準備しているせいで困らないので、 Skypeをインストールしたスマホを1台使い、ビデオ通話を開始してからそのまま中間ラジコンのそばに置いてみました。

結果は、オンラインコントロールのユニット1個が故障して全員がペナ扱いになり、こちらはそれどころでは無くなってしまったのですが、 見ていた人の話を聞いた限りでは悪くはなかったようです。 関心が集められる場面は依然として限りがあると思いますが、やろうと思えば案外簡単にできてしまうのが驚きです。

ちなみにデータ通信量のほうは、事前に計算して4GBくらいになるんじゃないかと予想していたのですが、 契約しているSIMカードが低速通信モードになっていたのを忘れ、当日もそれに気がつかなかったために1GBにもならず、お財布に優しい結果となりました。

外は風が強くて寒い一日でした。

インカレのエントリーシステムの更新

もう一つ、多くの人にはあまりなじみがない話ですが、今年、春インカレのエントリーのシステムを新しく作り直しました。

春インカレのエントリー(大会参加申込み)は簡単に参加申込み入力ができるのが特徴で、 各大学の担当者がそれぞれに発行されたIDとパスワードを使って専用サイトにログインすると、 その大学の加盟員の一覧が表示され、それぞれの出席・欠席・参加クラスを指定する形になっています。

去年までのシステムはインカレのエントリー責任者をすることになった14年前に作ったものなのですが、 残念ながら当時の構想力・技術力の至らなさから、長く使い続けていくにはそこそこ手間がかかるものでした。 いままではインカレ運営に関わることも多かったのでそれでも良かったのですが、 手間はかからないほうが良いということで思い切って一から作り直すことにしました。

作業のほうは何とか11月に間に合い今年度のエントリーを開始してもらうことが出来たのですが、 ただ単に作り直すのでは芸がないので、春インカレ以外でも使えるようにしました。 とりあえずは、地区学連のインカレセレクションでも使える形にしていますが、 大学の加盟員の一覧が表示され参加クラスを選ぶだけで済むスタイルは、大学大会の団体申込み等でも活用できるのではないかと思っています。 もしお役に立ちそうでしたら連絡ください。>学連幹事のみなさま


Lap Centerのサーバーは自宅の居間のテレビの裏にあります。住み込みの係員が毎日点検しているはずです。

2017年の予定

幸か不幸かやりたいこと(もしくは、やらなければいけないこと)には事欠かず、小さいことまで書くときりが無いのですが、 来年の前半には終わらせたいなと思うことを2つ紹介したいと思います。


一点目は、少しかわった形態の競技をできるようにしようと思っています。

例えば、どこか1つ好きなコントロールをパスしても良いというルールに対応します。カジュアルな練習会に取り入れても面白いのではないかと思っています。 アメリカではBillygoatという大会もあるようで、他の国のMulka2ユーザーさんからもリクエストが来たことがあるので、 割と一般的なのかもしれません。この他にも、一部の区間は好きな順番でパンチしても良いといったことも出来るようにするつもりです。

また、ドイツのSPORTident社からもリクエストが来ていて 「SIの中国再進出に協力してほしい。ついては中国で行われているある競技形態にMulka2を対応させてほしい。」とも言われています。 自分にとっての直接のメリットはあまり無いのですが、関係作りということで協力することにしています。

それでその競技形態というのが3人から4人でのチーム競技とのことで、 それぞれの選手は自分のコースが決まっていて順番通りに回ってくる必要があるのですが、 チームとして余分にいくつかのコントロールもパンチしなければならず、それはチームのメンバーで分担できるというものらしいのです。
おそらく全員一斉スタートで、スタート前にチーム内で協議してコントロールの分担を決め、メンバー全員が最初にフィニッシュしたチームが優勝、 というルールだと思われます。 以前にトータスでやっていた10人リレーと、また違った面白さがありそうです。こちらは少しめまいがしそうですが。


二点目はLap Centerにマイページ的な機能を作ろうと思っています。
ログインすると自分の出た大会がリストアップされて簡単に前の成績を参照できたり、 レースやレッグ毎にメモを残せるように出来たらいいなと思っています。 一定の範囲内で他の人と(例えば同じクラブの人と)そのメモを共有できたりするのもアリか?(いや面倒か?)等も考えています。 すぐに全部は出来ないと思いますが、Lap Centerのリニューアルにより環境が整ったので、少しずつ進めていくつもりです。


これからも引き続きよろしくお願いします。